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混乱か悪意か

某所のコメント欄にて沖教授は混乱していると書いたら嘲笑されましたが、輸入に頼らざるを得ない危機的情勢を知りながら恩恵と主張する人は、混乱しているか悪意をもって操作しているか気違いかのどれかに入ります。

その辺のヒントが沖教授の発表に現れているので引用してみました。

(※長過ぎるので文意を損なわない程度に簡略化し各段落に赤字の数字を振ってあります)

2. 仮想水推定の新規性と意義、今後の展開

(1) 本研究では、従来根拠不明なvirtual water(1kgの小麦=1tの水)、 に対し、信頼のおける値を算出した。

(2) また、日本がどの国や地域の仮想水に頼っているかを、 輸出入統計に基づいて示した。日本の場合は水ではなく土地の不足が原因。

(3) オランダ皇太子オレンジ侯も、農産物の輸出入に伴うvirtual waterのアセスメントを提案されており、 本研究は日本におけるvirtual water輸出入の体系的な調査結果として貴重。

(4) また、生活をvirtual waterの輸入に頼っている日本は、 恩恵を世界へ還元する(水資源開発など、利用可能な水を増やすODA)考えも必要。 そうした援助や投資を考える際に貴重な基礎資料となる。

(5) また、ここでは水に関してのみ示していますが、 土地や労働力も同様に海外に依存していて、 広大な海外の農地が日本社会を支えていることが想像できます。 そうした地域の農業生産の持続性や年々の生産高の変動に関心を払い、 注意深くモニタリングしていくことが、 日本の将来を考える上では極めて重要だと考えられます。

(6) 今後は人が生活に必要な水を得るためにどの程度の土地を必要としているのか、 も定量的に考慮し地球環境問題の解決を考える手がかりを提供していく。

(7) この成果に基づき牛丼1杯あたり約2m3の水資源が利用されている、 といった数字が、様々な製品やサービスに対して得られる様にするのが目標。


World Water Crisis and Japanese Water Resources Issues, 2002
2002年7月18日(2003年1月31日、2003年7月修正版)より引用)


5段目を丸ごと引用したのは、真意は図りかねるものの混乱の跡が隠れているためです。

沖教授は(2)でも触れている通り土地不足による輸入依存であると知っています。

しかし、強調すれば現実の農地確保に食指を動かす単細胞を出現させかねず「紛争回避の概念」を根底から覆しかねません。それを避けるため「仮想水の貿易が紛争回避に繋がっている」と主張するしかないのですが当初注目した「国内で生産した場合の使用水=水の環境問題」から遠ざかります。

概念の理解度と研究成果を示すため土地不足に言及せざるを得なかった沖教授は、発表内容のアキレス腱から視点を反らすためODAに触れ、海外の土地と労働力が日本を支えていると深く印象付けるため「仮想水の輸入=恩恵」と位置付ける事で、研究の切っ掛けとなった着眼点への強引な結び付けを行ったのではないでしょうか。

仮想は他の仮想に置き換え可能です。

5段目の記述からその様子を窺えますが沖教授は仮想の土地(名付けるならvirtual ground?)としての考察も試みたらしく、自身の論では環境問題にアプローチ出来ないと気付いています。研究の主眼である水に集中したくとも輸入に頼る要因が水ではなく土地問題ですから収まりどころがありません。

未だに困ってるんじゃないですかね、この混乱は。

でなければ目的を持った上での操作ですが、当然ながら最初の数値も悪意に満ちた摩り替え(摩り替えの錯誤を参照)となる訳で。


印象操作を行わなければならない混乱が生じたのか、それとも環境屋に迎合する内容で研究を初めた結果が無限ループだったのか。

好意的に見れば前者、普通に判断するなら後者です。


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