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根本的な誤解:日本は仮想『水』の概念に当て嵌まらない

仮想水で環境を語る際は負担軽減策を講じない特徴があります。これは、手段に過ぎない仮想水を神聖視する事で現実の水と混同させ、生産・輸出国が勝手に引き起こした水危機を世界的な環境問題であるかの如く印象付けて、輸出利益と水資源を同時に保護したいのではないでしょうか。


トップページに書いた通り、仮想水の概念は、水の争いが緩和されている理由として生み出された目的に達する(一定の解を得る)ための手段です。同様の考察をするのであれば、輸入に頼る事で緩和される問題から外れてはなりません。水以外の理由で輸入に頼る状況であればそれに則した仮想へ置き換える必要があります。

で、日本が輸入に頼る事で緩和されている問題ですが。

それは農地不足です。つまり、輸入食糧=仮想農地面積分の生産物。

某教授の試算によれば、現在輸入している農・畜産物を日本で生産すると日本国土の約半分が必要となるそうで、如何に海外の農地に頼っているのか解ります。農地とくれば生産に要する水、という発想もあるでしょうけれど、目的を見失ってはいけません。あくまでも輸入によって緩和されている問題を突き止める概念ですから、『商取引は土地不足に起因する紛争を緩和している(土地を居住・商工業に転用出来ている)』が答えとなります。

正しい理解と説明があれば仮想は他の仮想に置き換え可能である事に気付くはずですが、沖教授はあえてミスリードを行っている節が窺え(その証拠と思われる記述がこのページ→『魚拓』にあります)、某番組に出演した際も「こんなに水を使っている」(リンク先『王様の耳はロバの耳』:番組に対する疑念の話)程度の締まらない話のみで終わり、解決策を示していません。日本の場合は仮想概念に水を適用出来ないと知っているからではないでしょうか。違うのなら隠している事を公表すべきだと思うのですが。

仮想『水』概念は絶対的な存在ではなく、問題に則して他の仮想に置き換えられる思考法の一つに過ぎません。


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